日常生活の中で、自分の戸籍謄本も取得する機会はあまりないかもしれません。
しかし、相続の相談で時々あるのですが、親が亡くなって戸籍を取得し、初めて知らない相続人がいることがわかった、という方も少なくありません。
こうした事実を事前に知っておくのと、いざ相続になってから初めて知るのでは、やはり心の準備という点でずいぶん違ってくるものです。
では、相続人となる人が、他に相続人となる人を調べることはできるのでしょうか。
直系卑属であれば直系尊属の戸籍がすべて取得できる
結論から言うと、直系卑属、つまり被相続人の子や孫であれば、自分の両親や祖父母、またその上の直系尊属の戸籍はすべて取得できます。
ですから、こうした戸籍を集めてみることで、相続人となる人を事前に調べることが可能です。
そこで、もし自分の知らない相続人が出てきたら、親の生前に遺言書をきちんと作成しておいてもらうといった対策もできるでしょう。
なお、昔の戸籍を見てみると、自分のご先祖様はこんな名前だったのかなど、改めて知ることができる情報がたくさん出てきます。
人によっては、今であれば幕末くらいまでのご先祖様を確認することができますので、相続人を調べるだけでなく、こうした興味深い情報も知ることができるのです。
そのため、最近では家系図などを作成する目的で、直系の戸籍を取得する方も増えてきています。
戸籍の取得は意外と大変なことも多い
戸籍というのは、基本的に本籍地のみで取得することが可能です。
ですから、本籍地が遠方であったり、過去に転籍が多かったりすると、戸籍を取得するだけでも結構な手間と時間がかかります。
戸籍は郵送での請求も可能ですが、この場合、通常は請求してから届くまでに1週間から10日ほどかかります。
また、除籍謄本の手数料は1通で750円、さらに郵送請求の場合は定額小為替の手数料が一枚につき100円かかります。
ですから、相続人の状況によってはかなりの実費がかかることがあります。
しかし、もし自分の場合は大丈夫だろうか、と心配されている方は、せめて自分の両親の戸籍だけでも事前に取り寄せておくことをお勧めします。
そういう意味では、相続人の確認というのも立派な相続対策です。
なお、当事務所でも戸籍についての相談を承っておりますので、ご不明な点やお困りの点などがありましたら、お気軽にお問合せください。