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相続の知識

法定相続分は今と昔では違う~長年手続きを行っていない場合は要注意

よくわかる相続と遺言書のマニュアル 相続の知識

法定相続分通りに遺産分割(遺産を分けること)を行う場合、民法で定められている法定相続分に従って行われることになります。

ところが相続財産、特に不動産(土地や建物)の名義が、かなり昔に亡くなった方のままになっているケースがあります。

こうしたケースにおいて不動産の名義変更を行う場合、不動産の名義人が亡くなった時期によってかなり複雑な手続きを要することになります。

それは現行の民法と昔の民法では、法定相続分の規定が異なっているためです。

このような場合に名義変更を行う場合は要注意です。

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被相続人の亡くなったときの規定が適用される

まず現行の民法で定められている法定相続分は、以下のようになっています。

  • 配偶者と子が相続人・・・配偶者2分の1、子2分の1
  • 配偶者と父母が相続人・・・配偶者3分の2、父母3分の1
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人・・・配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

しかし不動産の名義人亡くなった時期によって、当時の法定相続分が適用されて遺産分割が行われることになります。

昭和22年5月2日から昭和55年12月31日の間に亡くなっている場合

昭和22年5月2日から昭和55年12月31日までの間に生じた相続で、不動産の名義人がこの間に亡くなっている場合には、以下の法定相続分が適用されます。

  • 配偶者と子が相続人・・・配偶者3分の1、子3分の2
  • 配偶者と父母が相続人・・・配偶者2分の1、父母2分の1
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人・・・配偶者3分の2、兄弟姉妹3分の1

このように、現在とは法定相続分が大きく異なっています。

先にも述べた通り、法定相続分で遺産分割を行う場合には『被相続人が亡くなった時点』の民法が適用されます。

そのため、もし不動産の名義人が上記の間に亡くなっていて名義変更を行っていない場合には、相続に伴う名義変更手続きなどがとても複雑になってしまうのです。

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権利者が多数になってしまっている問題も

相続というのは、たとえ不動産の名義変更を行っていなかったとしても、被相続人が亡くなったときから相続人の共有財産となります。

さらに複雑となるのは、不動産の名義人が亡くなってから年月が経っていればいるほど、その不動産の権利者が多数になってしまっていることです。

もし上記の期間から現在まで名義変更をしていないとなると、相続に相続が重なっている可能性が高いと思われます。

私の経験上では長年にわたり名義変更を行っていなかったために、不動産の権利者が数十人となっていたケースが実際にありました。

そうした状況で不動産の名義変更をするとなると、その権利者全員の承諾が必要となります。

手続きが複雑となるだけでなく、そもそも現在の権利者を特定することさえも大変な作業となってしまうのです。

手続きを行政書士に依頼したとしても時間や労力が必要

こうなってくると、個人で手続きを行うことはとても困難を極めます。

そして専門家に手続きを依頼しても時間と労力が相当に必要となりますので、必然的に報酬額も高くなってしまうでしょう。

もし不動産がまだご先祖様の名義のままになっている、といった場合は要注意です。

不動産の名義変更を行っていないと、例えば土地を売却するにしても家を建て替えるといった場合にしても、そのままでは行うことができません。

このような状態であれば、多少の費用をかけてでも相続に詳しい専門家に相談するべきです。

なお当事務所では不動産登記の専門家とも連携して相続手続きの相談を承っております。お困りの点があれば、お気軽にご相談ください。