当事務所の相続・遺言書専門サイト【相続と遺言書相談.com|埼玉県川越市の行政書士鈴木法務事務所】はこちらから
PR
相続の知識

遺産分割協議に期限はある?~遺産分割請求権の時効

よくわかる相続と遺言書のマニュアル 相続の知識

遺産分割というのは被相続人(亡くなった方)の財産を、相続人がどのように分けるのかを決めることです。

この遺産分割をする際の話し合いを『遺産分割協議』といいます。

被相続人名義の財産は、被相続人が亡くなった瞬間に法定相続人に移転し、相続人の共有状態となります。

ですから、その共有状態となっている財産をどのように配分するのか、といったことを相続人間で決める必要があるのです。

では、この遺産分割に時効や期限はあるのでしょうか。

PR

遺産分割請求権に時効はない

先述の通り、被相続人名義の財産は、被相続人が亡くなった瞬間に相続人に権利が移転します。

この共有状態を解消するために、相続人間で誰がどの財産を相続するのかといったことを決める必要があります。

そして、この遺産分割協議を求める権利のことを『遺産分割請求権』といい、遺産分割請求権には時効はありません。

被相続人が亡くなってから何年経過したとしても、遺産分割が行われていない状態であれば、相続人は遺産分割を請求することができるのです。

つまり、遺産分割協議が成立しない限り、相続人はいつでも遺産分割請求権を行使することができます。

PR

遺産分割協議を行わないことの弊害

ただし、遺産分割そのものには時効がないとはいえ、遺産分割を長期間行わないことで様々な弊害が生じてきます。

遺産を受け取りたくない場合

相続人は、遺産を相続する権利があるのと同時に、遺産を相続しない権利もあります。

この遺産を相続しない権利を行使することを『相続放棄』といいます。

相続放棄の意思表示には期限が設けられており、原則として被相続人が亡くなってから3か月以内に家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。

相続放棄は一般的に、被相続人にマイナスの財産(借金など)が多い場合に権利を行使することがほとんどです。

しかし、長期間にわたって被相続人の財産を把握せずそのままにしておくと、たとえ被相続人にマイナスの財産が多くても相続放棄ができなくなり、借金を背負い込むことになってしまいます。

不動産の名義変更ができない

不動産の名義変更を行うためには、遺産分割協議を経て誰がその不動産を相続するのかを明らかにする必要があります。

そのためには、相続人間で遺産分割協議を行ったうえで、『遺産分割協議書』を作成しなければなりません。

不動産の名義変更については期限はなく、名義変更を行う義務もありませんが、この状態を長年放置してしまうと、様々な問題が生じてくる可能性が高くなります。

相続税の申告・納付に支障が生じる場合もある

被相続人の財産状況によっては、相続税の申告・納付が必要となる場合があります。

相続税の申告には期限が設けられており、原則として被相続人が亡くなってから10か月以内です。

相続税については様々な特例が設けられており、こうした特例を適用することで相続税がかからなくなったり、大幅に節税できることがあります。

しかし、こうした特例を適用するためには、遺産分割協議が成立していることが条件となります。

相続税の申告・納付については、遺産分割協議が成立していなくても、いったんは法定相続分に従って申告・納付することも可能ではありますが、遺産分割協議が成立するまでは自己負担しなければなりません。

遺産分割協議を行わないメリットはない

その他にも、個々のケースによっては時効や期限がネックとなって、結果的に余計な負担が生じたり、相続人間でトラブルとなる可能性も出てきます。

遺産分割に時効はないとはいえ、いつまでも行わないメリットは何もありません。むしろ相続人が不利益を被らないために、早めに行うべきものです。

被相続人の財産内容が明らかになったら、できるだけ早めに遺産分割協議を行い、それぞれの相続分を確定させることが重要です。

もし遺産分割について困ったことがあれば、そのまま放置せず、相続に詳しい専門家に相談することも検討してみてください。

なお、当事務所でも遺産分割協議書の作成や相続手続きについての相談を承っております。また、相続税や不動産などの問題に関しても、それぞれの専門家と連携して対応しております。

お困りのことや疑問点などがあれば、お気軽にご相談ください。