天皇陛下が生前退位されたことで元号が平成から令和となりました。
生前退位というのは近代史に前例がないことから、特別法などが制定されるといったように周到な準備のもとで行われたものと思われます。
令和の場合は生前退位に伴うものでしたから、いわゆる相続というものではありません。
さらに言うと、そもそも天皇家においても相続や相続税、贈与税といった納付義務はあるかどうかが気になる方もいるでしょう。
では平成から令和となった際にはどのような法的扱いがなされたのでしょうか。
また昭和から平成となったときには、天皇家にも相続という問題が生じたのでしょうか。
一般的な相続知識とはあまり関係がありませんが、少し肩の力を抜いた息抜きという意味で読んでいただければと思います。
昭和から平成になったときはどのように扱われたのか
皇室であっても一般の国民と同様に、一定の制限があるとはいえ私有財産があります。
そのためたとえ天皇家であっても、相続税の申告納付が必要であれば納税しなければなりません。
天皇家にもしっかり納税義務があるのです。
そして昭和天皇が昭和64年1月に亡くなられた際の遺産総額は、約19億円といわれています。
昭和天皇は非常に質素な生活を好まれていたということで、毎年国から支給されていたお金の残高が積み重なり、結果かなり大きな金額となってしまったということです。
こういった考え方というのは、以前の天皇陛下である明仁上皇にも受け継がれたのではないでしょうか。
昭和天皇の遺産相続と納税はどのように行われた?
ちなみに天皇家は株式などの財産保有は制限されており、都心の広大な敷地である皇居や御所、御用邸などの不動産のほとんどは国有財産です。
ですから昭和天皇の課税対象となる遺産は現金と国債が大部分ということでした。
なお昭和天皇には当時、現在の明仁上皇と香淳皇太后をはじめ相続人が11人いました。
しかし財産の散逸防止などといった観点から、天皇となる明仁上皇と香淳皇太后のお二人で折半して相続されたそうです。
その際の相続税額は約4億円にのぼり納税手続きが行われました。
令和への改元は相続ではないが皇室特有の財産移転があった
ということで天皇家にも相続税を納める義務があることは前述のとおりです。
ただ平成から令和へと改元したのは、天皇陛下が亡くなられたわけではなく生前の退位です。
そのため相続という問題は生じませんが、天皇家には一般の国民にはない特有の財産があります。
それは『三種の神器』です。
三種の神器の継承についても法律に盛り込まれた
三種の神器そのものは由緒あるものとして相続税の課税対象にはなりません。その他にも歴代天皇の書状など様々な由緒物があるそうです。
ちなみに一般の国民であっても祭祀財産(お墓や仏壇など)については非課税です。
しかし三種の神器は歴代天皇が継承して所有する性質のある特殊な財産です。
そして平成から令和となった際は生前退位という形をとっているため相続での継承ではなく、生前贈与ということになります。
そこで三種の神器など由緒物の贈与による継承については贈与税を課さない、つまり非課税ということもしっかりと法律に盛り込まれました。
平成と令和は例外的なところが多かったにもかかわらず、大きなトラブルもなく事が進んだことは周到な準備と努力の賜物といえるでしょうね。