遺言執行者とは、遺言の内容を実現するための人です。
遺言執行者は、遺言書の中であらかじめ指定しておくのが通常ですが、利害関係者(相続人など)が家庭裁判所に申立てをして決めることもできます。
遺言執行者の職務としては、相続財産の管理や各種の名義変更など、主に財産に関する内容を遺言に従って執行していくことになります。
では、遺言執行者を辞任したり、相続人が解任することは可能なのでしょうか。
遺言執行者の辞任と解任について
まず、遺言執行者は遺言書で指定されているからといって、必ず就任しなければならないわけではありません。
遺言というのは遺言者の一方的な意思表示ですから、遺言執行者に指定されている人が就任を辞退することもできるのです。
遺言執行者は基本的に特別な資格などは必要ありません。ただし、未成年者と破産者は遺言執行者となることができません。
知人や友人、相続人の中から指定することも可能ではあります。
しかし、確実に遺言内容を実現してもらうためには、まず就任を辞退する心配のない、行政書士などの専門家を指定しておくのが安心でしょう。
また、遺言執行者は原則として、一度就任を承諾すると正当な理由がなければ辞任することはできません。
正当な理由というのは、例えば、重病であったり、遠隔地に居住しているなど、客観的にみて遺言執行をすることが明らかに難しい場合に認められることになります。
相続人による遺言執行者の解任
また、辞任とは逆に、相続人側から遺言執行者を解任する手続きもできます。
この場合も、正当な理由があれば、相続人が家庭裁判所に申し立てを行って解任の手続きが可能です。
正当な理由としては、例えば、第三者からみても明らかに遺言執行者としての任務を怠っている、特定の相続人のみに有利に働いている、などといったことがあげられます。
なお、遺言執行者を解任した場合には、新たな遺言執行者を家庭裁判所に選任してもらうことになります。
遺言執行者となる人は誰がふさわしいのか
遺言執行者というのは前述のとおり、一度就任すると簡単に辞任や解任をすることができません。
また、遺言執行者というのは重責を伴い、各種の相続手続きなどに慣れていない一般の方にとっては想像以上に大変な職務です。
そのようなことから、遺言執行者については、相続に詳しい信頼できる行政書士などの専門家を指定しておくのが安心といえます。
当事務所でも遺言執行者についての相談を承っておりますので、疑問点やお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。