遺産分割協議というのは、被相続人(亡くなった方)の遺産をどのように配分するのかを、相続人同士で話し合うことです。
遺産分割協議は、原則として相続人となる人が全員参加しなければなりません。
法定相続人が一人でも遺産分割協議に参加しない場合には、その協議は無効となります。
ではもし相続人が国内でも遠方であったり海外に在住しているような場合、どのように遺産分割協議を行えばよいのでしょうか。
遺産分割協議は必ずしも相続人が一堂に会する必要はない
遺産分割協議は、最終的に相続人全員がその内容に合意すれば成立します。
ですから必ずしも相続人全員が一堂に会して話し合いを行う必要はありません。
相続人の中に海外など遠方に住んでいる人がいるような場合には、電話やメールなどといった方法で協議を行っても差し支えないのです。
そして最終的に協議がまとまったもの(遺産分割協議書)を郵送するなどして合意し、署名等をもらって送り返してもらえれば、それでも有効なものとなります。
海外に在住する人の印鑑証明書は?
遺産分割協議の結果を書面にしたもの(遺産分割協議書)で相続手続きを行うには、原則として各相続人の署名と実印の押印、印鑑証明書の添付が必要となります。
しかし海外に在住していて日本国内に住所がない相続人は、日本の印鑑証明書を取得することができません。
そのような場合には現地の日本領事館等で印鑑登録を行い、印鑑証明書を発行してもらうことも可能です。
また遺産分割協議書の署名が本人のものであることを証明する方法として、サイン証明書を現地の日本領事館等で発行してもらい、印鑑証明書の代わりにするという方法もあります。
必要となる書類等は必ず確認すること
ただし遺産分割協議書の作成においてはサイン証明書でも問題ありませんが、相続手続きにおいては手続き先に必要書類を確認しておく必要があります。
例えば金融機関などの相続手続きではサイン証明書のほかに、日本大使館や領事館等で発行する在留証明書なども必要となる場合があります。
金融機関や不動産の名義変更など各種の相続手続きを行う際には、必要となる書類等をあらかじめ確認しておくようにしましょう。
当事務所では相続手続きに関する相談も承っております。疑問点やお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。