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遺言書

遺言で献体することはできる?~まず家族の理解を得ることが不可欠

よくわかる相続と遺言書のマニュアル 遺言書

献体というのは自分の死後、医学などの現場へ自らの体を提供することです。

献体されたご遺体は、今後の医学の発展や医師の育成などのために解剖などで利用されることになります。

こうした希望を持っている方はとても多く、これまで献体された方々には本当に心から頭が下がる思いです。

そこでもし自分が献体を希望する場合には、遺言書で意思表示を書き記しておくことは可能なのでしょうか。

また献体を希望する場合、事前にどのような準備が必要なのでしょうか。

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自分の希望として記載するのは自由

まず遺言書には、基本的にどのようなことを書いても構いません。

ですから自分の希望として献体を希望する内容を記載することは可能です。

ただしもし遺言で献体を希望したとしても、その内容に法的な効力はありません。

あくまでも自分の希望として、付言事項といった形での意思表示になります。

献体を希望する場合の手順について

献体を希望する場合には遺言書での意思表示だけではなく、生前に大学や関連の団体に登録しておく必要があります。

まずは献体篤志家団体、または医科大学等に申し込みを行います。申し込みのための書類等はそちらで入手することができます。

なお申込書には自分の署名捺印だけではなく、家族の署名捺印も必要です。

献体を申し込むと、登録先の団体名や死亡時の連絡方法等が記載されている献体登録証が発行されます。

献体を希望するのであれば家族の理解が不可欠

献体については家族の同意といった手続きを経る必要があることから、献体を希望する場合には必ずしも遺言書にその意思表示をしておく必要はありません。

しかし献体を行うと、通常はすぐにご遺骨が戻ってくることはない点には注意が必要です。

ご遺体の防腐処理に時間がかかることに加え、大学のカリキュラムの都合などによって解剖などに利用される期間は異なります。

ご遺骨の返還までには通常1年から2年、長ければ3年ほどかかる場合があります。

献体を希望する場合には登録の段階で家族の同意が必要とはいえ、いざご遺体を献体する際になって、やはり献体は遠慮したいという家族の希望が出るかもしれません。

家族が拒否しているにもかかわらず、ご遺体を無理やりに持っていくことはできませんので、そうした点も踏まえ家族と十分な話し合いや理解を得ておく必要があるでしょう。

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臓器提供の場合には

またいわゆる臓器提供の場合、移植できる時間的な問題(臓器が正常に機能している必要性)があるため、遺言での意思表示ではなく、いわゆるドナーカードで行うことをお勧めします。

臓器提供に関しても最終的に決断するのは残された遺族です。

どちらの場合であっても、やはり十分に家族と話し合っておくことが必要不可欠です。