『遺言書』と『遺言状』、どちらの言葉も見聞きしたことがある方は少なくないでしょう。
一般的には『遺言書』が使われているケースが多いかもしれませんね。
ただ『遺言書』と記載することと『遺言状』と記載することで、何か効力が異なるのでしょうか。
そしてもし自分が遺言を残したい場合、どちらを使用するのが適切なのでしょうか。
遺言書も遺言状も基本的にはまったく同じ意味です
結論から言ってしまうと『遺言書』と『遺言状』は単に言い方が多少異なるだけで、どちらも同じ意味となります。
どちらをタイトルに使用しても法的な効力にまったく違いはありません。
現在は一般的に『遺言書』とするケースが多いです。実際に書籍やインターネットの情報などを参照しても『遺言書』と記載しているものがほとんどでしょう。
ただ、もし『遺言状』と記載されていたとしても法的にはまったく問題ありません。
遺言状という言葉が登場するのは自筆証書遺言
一般的に遺言を残す場合、『自筆証書遺言』と『公正証書遺言』という方式で作成することがほとんどです(秘密証書遺言という方式もありますが、ほとんど利用されることはありません)。
公正証書遺言のタイトルには『公正証書遺言』と記載されます。ですから、遺言状という言葉が使われることはありません。
一方で自筆証書遺言の場合、タイトルの記載は任意です。しかし遺言であることがきちんと分かるように『遺言書』や『遺言状』といったタイトルをつけるのが一般的です。
そして先にも述べた通り、『遺言書』でも『遺言状』であっても同様の意味となります。
ゆいごん?いごん?ゆいごんじょう?いごんじょう?どの読み方が正解?
『遺言書』は『ゆいごんしょ』あるいは『いごんしょ』といった読まれ方をします。
同様に『遺言状』は『ゆいごんじょう』『いごんじょう』という読まれ方をします。
もちろん、どちらのどの読み方も間違いではありませんし、意味もまったく同じです。
これは私の経験上の感覚ですが、一般の方は『ゆいごんしょ』『ゆいごんじょう』、私たち専門家などは『いごんしょ』『いごんじょう』という読み方をする方が多いように感じています。
私たちは自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)、公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)といった読みを頻繁に使っているということも理由のひとつかもしれませんね。
遺言書と遺言状の違いについてのまとめ
『遺言書』と『遺言状』はまったく同じ意味です。
『遺言書』と『遺言状』の記載は自筆証書遺言でタイトルをつける場合です。一般的には遺言書が使われることが多くなっていますが、遺言状でも差し支えありません。
要は『好み』で決めて構わないということになります。
また、遺言書は『ゆいごんしょ』『いごんしょ』と読まれ、遺言状は『ゆいごんじょう』『いごんじょう』と読まれます。
どちらもまったく同じ意味ですが、専門家などは『いごんしょ』『いごんじょう』と読むことが多いので、どちらの読み方も覚えておきましょう。