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相続税・贈与

相続税と養子縁組についての人数制限

よくわかる相続と遺言書のマニュアル 相続税・贈与

養子縁組をした結果として相続税の節税につながることがあります。

もっとも最初から相続税の節税目的で養子縁組を行うケースはまれですが、養子縁組をすることによって結果的に相続税の節税、あるいは相続税がかからなくなることがあります。

養子縁組とは実際の血のつながりがなくても、法的手続きを経ることで親子関係を結ぶことができる制度です。

最もポピュラーな例としては、いわゆる婿養子として養子縁組するといったケースです。

養子縁組を行うと養子にも実子と同じ相続権が生じますので、基礎控除額が増えます。

ですから相続税の節税、あるいは相続税そのものがかからなくなることがあるのです。

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相続税法上の養子縁組の制限

ただし養子は制度上何人でも増やすことはできますが、相続税法上は養子の人数が制限されています。

相続税の計算上、たとえ養子が何人いても次のような制限がかかります。

  • 実子がいる場合・・・1人まで
  • 実子がいない場合・・・2人まで

つまり夫婦の間に実子がいる場合には、養子1人のみ相続税法上の相続人としてカウントされ、実子がいない場合には養子2人までがカウントされます。

これは養子のすべてが相続税法上の基礎控除に算入されることになると、相続税を免れる目的で多くの養子縁組を行うケースが出てくる可能性があり、それを防ぐための制限です。

このような制限はありますが正当な養子縁組を行えば、養子の数で基礎控除額が増える分、結果として節税となります。

ただし明らかに節税目的での養子縁組を行ったことが認められる場合には、税務署から否認される可能性もありますので注意が必要です。

あくまでも正当な養子縁組を行った結果として、節税につながるということです。

養子縁組に関する最高裁判決について

平成29年1月に、節税目的で養子縁組したケースで養子縁組を認める判決が出されました。

しかしこの判決はあくまでも『民法上の養子縁組』を認めた判決であって、節税目的での養子縁組を容認したものではありません。

この点を誤解している方が多いのですが、相続税法上ではこうしたケースでの養子縁組は否認される可能性があることに注意しましょう。

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養子の人数に制限がかからない場合もある

相続税法上の原則としては、養子は1人または2人の制限があることは前述しました。

しかしこの制限にかからないケースがあります。

それは婚姻した相手に連れ子がいる場合に養子縁組することです。

この場合には上記の相続税法上の制限にはかからないため、婚姻相手の連れ子の人数が多ければ多いほど基礎控除の額が大きくなり、結果として大きな節税となります。

もっとも最初から相続税の節税目的ありきで婚姻するということは、まずないと思います。

ただ連れ子との養子縁組については人数の制限がかからない分、結果として大きな節税効果があるということになります。