昨今の低金利時代においては、個人投資家として株式を運用している方は少なからずいるでしょう。
そして被相続人(亡くなった方)が株式を持っていた場合、当然のことながらその株式も相続財産となり、遺産分割の対象となります。
ですから遺産分割協議(相続人同士の話し合い)を行って、誰が相続するのかを決めなければなりません。
では株式を相続するにあたって、もし株式を相続する相続人が、これまで株式の運用を行ったことがなく、証券会社の口座も持っていないという場合にはどのような手続きが必要なのでしょうか。
まずは相続人名義の口座を開設しなければならない
相続人が証券会社の口座を持っていない場合、まずは新たに相続人名義の口座を開設する必要があります。
なぜなら株式を相続する場合には、被相続人名義の株式口座から相続人名義の株式口座へ株式を移したうえで、証券会社所定の名義変更手続きが必要となるためです。
ですから株式の相続においては、その株式をすぐに現金化できるわけではありません。
もし今後株式を運用するつもりはなく、すぐに現金化したいという場合には、いったん相続人名義の口座を開設して名義変更してから売却するといった手間がかかります。
そういう意味では株式の相続というのは、一般的な預貯金の相続よりも少し面倒な手続きといえるでしょう。
どの時点の株価が相続財産となるのか
なお株式の相場は日々常に変動しています。
ですからどの時点での価値を適用するのか、といった問題も生じてくるでしょう。
法律上の理屈では、被相続人が亡くなった時点で法定相続人にすべての財産が継承されます。
そのためどれくらいの財産的価値があるのかは、証券会社で発行してもらえる残高証明書で被相続人が亡くなった時点の株価を確認し、それを適用するのが一般的です。
口座開設の手続きは証券会社によく相談する
証券会社の口座については、一般の預貯金口座とは異なる点が多々あります。
そのため口座開設や名義変更の手続きなどについては、その証券会社によく相談しながら進めることをお勧めします。
なお当事務所では株式の相続についての手続きや相談も承っております。疑問点やご不明な点などがありましたら、お気軽にご相談ください。