金融機関での相続人への名義変更や口座の解約といった相続手続きにおいては、原則として被相続人(亡くなった方)の戸籍や通帳やカード、金融機関所定の手続き用紙、相続人の印鑑証明書などが必要となります。
ところが被相続人(亡くなった方)の銀行口座があることは間違いなくわかっているが、通帳やカードなどが見つからない、ということもよくあるケースです。
また通帳やカードが見つからなくても、同じ金融機関の支店に複数の口座をもっていた、という場合もあります。
ではそうした場合の金融機関の相続手続きはどのように行えばよいのでしょうか。
ほとんどの場合紛失していても相続手続きが可能です
金融機関での相続手続き(名義変更や解約など)については、もし通帳やカードなどを紛失していたとしてもほとんどの場合、何の問題もなく相続手続きが可能です。
手続きの方法は金融機関によって異なりますが、単に口頭で紛失した旨を伝えれば済んでしまう場合もありますし、金融機関所定の紛失届といったものを提出するような場合もあります。
また同一の支店に複数の口座があるような場合には、金融機関側からその旨を窓口で親切に伝えてくれることがほとんどです。
金融機関によっては残高証明書を取得しなければならない
ただし金融機関によっては複数の口座があったとしても、その旨を何も伝えてくれない、教えてくれないといった不親切なところもあります。
そうした場合には、複数の口座がある金融機関に対して『残高証明書』というものを請求することで、被相続人名義の口座やすべての金額を確認することができます。
ちなみにこの残高証明書の発行には手数料がかかるうえに、ほとんどの金融機関は請求してもその場ですぐには出てきません。
通常は1週間から10日ほど待たされます。
そもそもこうした相続人に余計な出費や手間をかけさせるような不親切な対応は、改めてもらいたいものなのですが。
いずれにしても相続手続きには問題ありません
いずれにしても仮に通帳やカード、印鑑などを紛失していたとしても、問題なく相続手続きは進められるようにはなっています。
通帳などが見つからない、といった場合であっても、相続に関する諸手続きは可能なのでご安心ください。
なお預貯金額によっては相続手続きが簡略化できる場合もありますので、そうした点についても確認してみましょう。
実際、当事務所で手がけた相続手続きにおいても、このようなケースで相続手続きが行えなかったことはこれまで皆無です。
当事務所では金融機関の手続きについても相談を承っております。疑問点やお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。