被相続人(亡くなった方)名義の銀行口座の中で、同じ金融機関でも、異なる支店で口座をいくつか持っている、というケースは少なくありません。
例えば、A銀行のB支店、C支店、D支店、といったように、違う支店の口座がいくつかあるというケースです。
こうした場合、生前にひとつの支店に口座をまとめてしまった方が、実際に相続手続きを行う相続人の負担はかなり軽減されます。
自分の口座ですから、手続きそのものはそれほど難しいものではありません。時間がとれるようであれば、ぜひ行っておきましょう。
同じ金融機関でも支店ごとに手続きが必要となる
異なる支店にいくつか口座がある場合、同じ金融機関であれば一部の手続きは一度で行えるのですが、中には口座のある支店ごとに提出しなければならない書面などもあります。
つまり、同じ金融機関であっても、口座をもつ支店の数が多くなればなるほど、相続手続きを行う手間がそれだけ増えてしまうということです。
相続人からすると、同じような内容の書面を何通も何通も書くうえに、それぞれ実印の押印、印鑑証明書の添付もしなければならない、ということになります。
相続人が比較的近くに居住していればまだよいですが、遠方に居住しているとなると、これは想像以上に面倒で大変な作業なのです。
また、地域内の支店だけならまだしも、例えば被相続人が生前働いていた勤務地の近くに給与振り込み用の口座があるなど、支店が遠方にあるといったことも多々あります。
これもまた、少なからず相続人の負担となってくるでしょう。
相続が生じると他にも手続きがたくさんあります
人が亡くなると、相続人となる遺族は、こうした相続手続き以外にも行わなければならないことが山ほどあります。
財産状況によっては手続きに期限が定められているものもあります(準確定申告、相続税の申告など)ので、できる限り相続手続きの手間や時間がかからないようにしておくことも大事です。


ですから、生前にあらかじめ口座をひとつにまとめておく、といったような非常に簡単なことであっても、残された相続人はとても助かります。
細かいことかもしれませんが、後の相続人の手間を考えると、預貯金口座の数は少ないに越したことはありません。
こうしたことも立派な相続対策、終活の一環です。