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その相続税の節税対策は本当に必要ですか?

よくわかる相続と遺言書のマニュアル 相続税・贈与

相続税の基礎控除額が大幅に下がったことで、いわゆる相続税対策を考えている方も多いと思います。

相続税に関しては、確かに生前から対策を講じておくことは大事なことです。

ただ、一口に相続税対策といっても様々な情報があふれていて、自分にはどのような対策が必要なのか、といったことが分からないといった声も少なくありません。

また、業者などに言われるがまま相続税対策と言われていることを行った結果、まったく節税効果がなかった、意味がなかった、などといったことも多々あります。

そのような事態にならないようにするには、まず相続税対策の基本的なところを理解しておく必要があります。

まずは相続税対策が必要なのかどうかを確認する

相続税を申告・納付する必要があるケースというのは、全国平均で7~8%程度と言われています。

つまり、大部分の方は遺産を相続したとしても、相続税を払う必要がないということです。

そうした点を踏まえたうえで、まずは自分が本当に相続税対策が必要なのかどうかを確認するところから始めることが大前提です。

相続税には、基礎控除額という枠が設けられています。

相続税における基礎控除額とは?
相続というと、真っ先に相続税を考える方が多いかもしれません。 確かに、相続において相続税というのは、とても重要なことではあるのですが、実際に相続税を納めている方というのは全体的にみると、実はそう多くはありません。 全国平均では8パーセント程度、地価が高い東京などでも12パーセント程度と言...

この基礎控除額を超えなければ、そもそも相続税を支払う必要がありませんので、相続税対策も不要ということになります。

相続税対策の基本とは

もし、基礎控除額を超えてしまう資産があるという場合には、『できる限り早めの対策』『できるだけ現金や預貯金は残さない』というシンプルな対策が一番です。

非課税の暦年贈与を利用する

早めの対策として考えられるのは、贈与税の非課税枠を利用した暦年贈与を行うという方法があります。

贈与税に関しては年間110万円までの贈与が非課税となります。こうした仕組みを早い段階からコツコツと毎年行っておくことで、相続税の圧縮や節税につながっていきます。

生前贈与の基本と注意点は~暦年贈与について
まず、生前贈与とは、自分の財産を生前に、相続人や孫といった人たちへ贈与することです。 生前贈与の目的として最もポピュラーなのは、相続税の納税額を抑える目的です。 生前に自分の財産を贈与するのは、自分の財産ですからもちろん自由です。自分のお金なのですから、どのように使っても構いません。 ...

現金よりも不動産で残した方が有利

また、現金や預貯金の評価というのは額面通りの価値となりますが、土地は路線価、建物は固定資産税の評価額といったように、市場価格よりも大幅に低い額で算定されます。

そのため、現金や預貯金といった資産を多く残すよりも、同じ額の不動産で残した方が節税効果が高くなります。

小規模宅地等の特例が適用できればさらに節税できる

なお、一定の要件を満たす必要はありますが『小規模宅地等の特例』を適用することができれば、さらに相続税を圧縮することができます。

相続税の特例~小規模宅地等の特例の概要について
一般的に、個人が所有している土地のうち、居住用や事業用のために使用している土地は、今後生活していく上で必要不可欠なものです。 こうした土地も相続税の課税対象となりますが、このような土地に対してそのまま相続税を課税した場合、個人の生活基盤を脅かすことになる可能性があります。 そこで、一定の...

この小規模宅地等の特例を適用することで不動産の評価額が最大8割減となり、現金・預貯金などの生前贈与を併せて行っておくことで、これだけでも大幅な節税、あるいは相続税そのものが課税されなくなるケースもあります。

一時期注目されたタワーマンション節税には要注意

相続税対策として、いわゆる『タワーマンション節税』といった方法も有効と言われていました。

これは、タワーマンションの低層階と上層階では実売価格が大きく異なるにもかかわらず、固定資産税の評価額はほぼ同額であることを利用し、資産価値を残しながら相続税を抑えるといった方法です。

しかし、制度改正によって20階以上のマンション高層階については、低層階よりも最大で10数%ほど評価額が高くなり、節税効果がかなり少なくなってきています。

それでも、まだタワーマンション節税は有効と唱える方もいますが、そもそも相続税は時価評価が原則です。場合によっては追徴課税される可能性もあるので注意が必要となります。

相続税対策は結局シンプルな方法が一番

世の中では、タワーマンション節税などといった方法の他にも、様々な相続税の節税方法が紹介されています。

しかし、相続税対策というのは、自分があまり理解できないような複雑な仕組みのものよりも、やはり早くから非課税の生前贈与をコツコツと行ったり、現金や預貯金よりも不動産で残すといった節税対策が、結局は安心、安全な一番の方法といえるでしょう。

そもそも自分には相続税対策が必要なのかどうか、自分の資産状況に一番合っている相続税対策は何なのか、といった点をよく考慮したうえで、必要があれば税務の専門家に相談しながら行うことも検討してみましょう。

相続税・贈与
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著者行政書士プロフィール

1971年埼玉県狭山市出身。平成18年1月、埼玉県川越市に行政書士鈴木法務事務所を開業。埼玉県行政書士会川越支部所属・同支部理事。
開業当初より遺言書作成・遺産相続手続きを中心とした分野を専門として取り組み、事務所を構える埼玉県川越市を中心とした地域密着型の業務で、遺言書作成・遺産相続手続きの専門家として大きな信頼を得ている。

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