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相続人の権利~遺留分減殺請求とは?

よくわかる相続と遺言書のマニュアル 相続の知識

まず、遺留分とは、被相続人(亡くなった方)の相続財産について、その一定の割合を一定の法定相続人に保障する制度です。

相続における遺留分とは?
遺留分というのは、相続にあたって、一定の相続人に対して保証されている相続財産の一定の割合のことです。 遺留分は、被相続人(亡くなった方)からの生前贈与や遺贈によっても奪われる権利ではありません。 ですから、生前贈与や遺贈が多額であったり、特定の相続人に対してのみ相続分が多額であるような場...

遺留分の権利者は、被相続人の遺言などで遺留分を下回る遺産しか相続できないような場合に、遺留分に相当する財産を受け取ることができるのです。

民法第1031条(遺贈又は贈与の減殺請求)

遺留分権者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。

この遺留分を請求することを、遺留分減殺請求といいます。

遺留分制度の目的

遺言者は原則として、自らの財産を自由に処分(自分で遺産の配分を決める)することができます。

しかし、相続人の生活の安定や、財産の公平な分配を行う必要性から、遺言者の財産処分の事由を制限する規定が遺留分制度なのです。

民法第1028条(遺留分の帰属及びその割合)

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合  被相続人の財産の三分の一

二 前号に掲げる場合以外の場合  被相続人の財産の二分の一

つまり、被相続人(遺言者)が遺留分を無視した内容の遺言を残してしまっても、遺留分を侵害された遺留分権利者は、自分の権利である一定の遺留分を取り戻すことができます。

遺留分の権利者は、兄弟姉妹以外の相続人となる配偶者、子、直系尊属(祖父母など)です。

遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合は遺産の3分の1、それ以外の相続人については遺産の2分の1です。

例えば、配偶者と子がいる被相続人が、全財産を相続人以外の人に遺贈する、といった遺言を残していたような場合、配偶者と子は遺産の2分の1を取り戻すことができるということです。

なお、遺留分を無視した内容の遺言書であっても、遺言書そのものは無効にはなりません。

遺留分を無視した遺言書でも有効?
例えば、被相続人(亡くなった方)に長男、次男、三男と三人の子がいて、長男が被相続人と同居していた、というケースで考えてみましょう。 被相続人は、『自分の全財産は同居していた長男にすべて相続させる』という遺言書を残していたとします。 この遺言書の通りに遺産分割(遺産を分けること)を行うとす...

遺留分減殺請求の期限

遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始、または減殺すべき贈与や遺贈があることを知ったときから、原則として1年間で時効消滅します。

民法第1042条(減殺請求権の期間の制限)

減殺の請求権は、遺留分権者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

遺留分減殺請求は、その意思表示が相手方に到達した時点で効力を生じます。ですから、必ずしも裁判による必要はありません。

ただし、遺留分減殺請求は期限があります。そのため、通常は通知した日付がはっきりと証明できる内容証明郵便などを用いて請求します。

遺留分を侵害している遺贈や贈与というのは、それ自体が無効となるわけではなく、遺留分権利者が遺留分減殺請求を行わなければ、そのまま遺言書通りに財産の配分が行われることになります。

相続の知識
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著者行政書士プロフィール

1971年埼玉県狭山市出身。平成18年1月、埼玉県川越市に行政書士鈴木法務事務所を開業。埼玉県行政書士会川越支部所属・同支部理事。
開業当初より遺言書作成・遺産相続手続きを中心とした分野を専門として取り組み、事務所を構える埼玉県川越市を中心とした地域密着型の業務で、遺言書作成・遺産相続手続きの専門家として大きな信頼を得ている。

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