遺言書の内容が不公平なので不服申立てはできますか?

よくわかる相続と遺言書のマニュアル

遺言というのは、被相続人(亡くなった方)の意思を尊重するために作成されるものです。

ですから結論から言えば、たとえ内容が不公平であっても、法的な要件をきちんと満たしている遺言書に対しては、原則として不服申立てをすることはできません。

遺言書というのは、相続人間で平等に相続してほしいといった場合に残すものではなく、むしろ相続人の相続分に差をつけたいような場合に残しておくものといえます。

そのため、遺言書の内容がたとえ不公平なものであったとしても、法的な要件を満たしている限り、原則としてその内容について不服申立てをすることはできないのです。

遺留分を侵害している内容である場合は

ただし、その遺言書の内容が、相続人の遺留分(一定の相続人に保証されている最低限の相続分)を侵害(遺留分よりも少ない)しているような場合には問題が生じる可能性があります。

遺留分のある法定相続人は、その遺留分を保全する限度で、侵害されている相続人が遺留分減殺請求を行うことができるためです。

なお、遺留分を侵害しているような遺言内容であったとしても、遺言書そのものが無効となるわけではありません。また、当然に遺留分が戻ってくるわけではありません。

遺留分減殺請求の行使期間(原則として被相続人が亡くなってから1年間)の間に、遺留分権利者が権利を行使(遺留分減殺請求)した場合に、その遺留分を取り戻すことができます。

遺留分や遺留分減殺請求の詳細については、以下のコンテンツを参考にしてみてください。

遺留分というのは、相続にあたって、一定の相続人に対して保証されている相続財産の一定の割合のことです。遺留分は、被相続人(亡くなった方)からの生前贈与や遺贈によっても奪われる権利ではありません。ですから、生前贈与や遺贈が多額であったり、特定の相続人に対してのみ相続分が多額であるような場...
まず、遺留分とは、被相続人(亡くなった方)の相続財産について、その一定の割合を一定の法定相続人に保障する制度です。遺留分の権利者は、被相続人の遺言などで遺留分を下回る遺産しか相続できないような場合に、遺留分に相当する財産を受け取ることができるのです。 民法第1031条(遺贈又は贈与...

できれば遺留分に配慮した遺言内容が望ましい

遺言書というのは基本的に、何らかの事情で相続人間の相続分に差をつけたいような場合に残しておくものであることは前述しました。

しかし、後の相続人間のトラブルをできる限り防止するためには、相続分に差をつけるにしても、やはり相続人の遺留分に配慮した内容としておくのが無難ではあります。

また、遺言書の付言事項を利用することで、相続分に差をつけた理由などを書き記しておくことも効果的でしょう。

遺言書には、財産に関することなど以外に、相続人へのメッセージを自由に書き添えることも可能です。このメッセージのことを『付言事項』といいます。付言事項は公正証書遺言についても書き記すことができます。付言事項には、基本的に何を書いても構いません。例えば、『私が亡くなった後は、お母...

相続分に差をつけたい、などといった遺言を残したい場合には、できれば相続や遺言書に詳しい行政書士などの専門家と相談しながら作成することをお勧めします。

当事務所でも、遺言書についての相談を承っております。疑問点や困っているような点があれば、お気軽にご相談ください。

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