遺言書の内容を撤回することはできますか?

よくわかる相続と遺言書のマニュアル

まず、撤回というのは、撤回する人の一方的な意思表示によって、その内容をなかったことにすることです。

遺言書を書いた後に、やっぱり違う内容で作り直したい、といった場合、遺言書を書いた人はそれを撤回することはできるのでしょうか。

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遺言を撤回することは自由に行えます

結論から言うと、遺言書の内容については、遺言者の意思でいつでも撤回することが可能です。

考えてみれば、自分の財産なのですから、いつでも遺言を撤回することができるのは当然のことでしょう。

撤回の方法としては基本的に、遺言書そのものをすべて撤回する、といった文言を付記したうえで、遺言書を新たに作成する、といったことになります。

撤回する権利を放棄することはできるのか

例えば、自分の遺言書の内容は撤回しない、といった約束を、相続人となる人たちとの間で約束するなどした場合はどうなのでしょうか。

この場合、たとえ書面などでその旨を約束していたとしても、遺言者がそれに従う義務はありません。

つまり、遺言者は、遺言書の内容を撤回する権利を放棄することはできない、ということです。

遺言書の内容を撤回したとみなされる場合

なお、民法では、次のような場合には遺言を撤回したものとみなす、と規定されています。

  • 遺言書が複数あり、前の遺言が後の遺言の内容に抵触する場合、その部分については遺言は撤回したものとみなされます
  • 遺言者が、遺言書を書いた後に財産を処分した場合
  • 遺言者が遺言書を破棄した場合
  • 遺言者が遺贈するはずの財産を破棄した場合

遺言書は、自分の財産を自由に配分することが目的です。また、遺言書を書いたからといって、何が何でもその財産を残さなければならない、ということでもありません。自分の財産なのですから、生前にどのように使っても自由です。

このように、遺言というのはいつでも自分の意思で自由に撤回できるものですし、仮に遺言書に書いてある財産を生前に処分してしまっても、その部分の遺言が撤回されたものとみなされるだけです。

ただ、遺言書に書いてある財産がなかった、ということになると、後に相続人同士のトラブルに発展してしまう可能性はあります。

そのため、できれば定期的に遺言書の内容を見直してみることをお勧めします。

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行政書士プロフィール

行政書士 鈴木順一
1971年埼玉県狭山市出身。平成18年1月、埼玉県川越市に行政書士鈴木法務事務所を開業。埼玉県行政書士会川越支部所属・同支部理事。平成18年の開業当初より、遺言書作成・遺産相続手続き、内容証明郵便の作成代行などを中心とした分野を専門として取り組み、これまで相続相談業務、契約書作成業務、公正証書遺言作成に関する支援業務、遺言執行に関する業務や相続・遺言書作成、事業承継に関する講演、内容証明郵便の作成などで多数の実績がある。事務所を構える埼玉県川越市を中心とした地域密着型の業務で、きめ細かな顧客への対応を実現し、遺言書作成・遺産相続手続き、内容証明郵便の専門家として大きな信頼を得ている。

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